皆さんにとって、「師」と呼べる方はどのような存在でしょうか?
学校の先生、部活の先生、習い事の先生、病院の先生…
家族よりも多くの時間を共に過ごした先生は、人生において大きな影響を与えてくれます。
私は来年、満60歳を迎えます。
これまで多くの方々に師事し、深い学びを得てきました。
自分自身だけでなく、子供たちの先生方、亡き母の恩師、施設や病院の先生、バレエや留学先の先生…
そして、料理、心理学、四柱推命、月読み、占星学、スピリチュアル…様々な分野の先生にも出会いました。
その中でも、特に多くの時間を共に過ごし、最も多くのことを学んだのが、2人のヨガの先生です。
【1人目の先生】
7年間師事した1人目の先生からは、ヨガの基礎だけでなく、物事の見方、考え方、伝え方を学びました。
先生の温かく優しい許しの愛の中で、私は自分自身を肯定し、成長していくことができました。
独立して初めて気づいたのは、「許される」ということの真の意味です。
それは、自分の思い通りにできる自由であると同時に、全ての責任を自分自身で負うことでもあるのです。
早朝クラスでの練習、お茶を挟んでの更なる練習、ランチ、そしてまたお茶…
時には東京、時にはインドへ数週間の旅…
スタジオ設立時のオープニングパーティーに駆けつけてくださった先生と、12年間一度も会うことなく過ごした時期もありました。
しかし先日、偶然再会を果たし、これまでの感謝の気持ちを伝えることができました。
長年共に過ごした中で、甘えからくる誤解や、自立心からくる反発など、様々な経験がありました。
しかし、今となっては全てが学びであり、感謝の気持ちでしかありません。
【2人目の先生】
もう一人の先生とは、今も良好な関係を築いています。
2年前には種子島のリトリートに参加し、学びを深めました。
こちらの先生には、最初の1、2年間、毎月数日間練習を見てもらい、全国各地のワークショップに参加しました。
インド、バンコク、チェンマイ、ハワイ、ネパールなど、海外で行われるワークショップにも積極的に参加しました。
先日、先生が創立30周年を迎えられたとの知らせを受け、近々東京のスタジオに会いに行く予定です。
20年間、毎回交わす言葉は同じです。
「久しぶり、元気?」
「無理しないでね!」
たった一言ずつですが、その温かい言葉にどれほど励まされたことでしょう。
練習中やワークショップでの先生の接し方、指導の仕方、距離感、話す「間」、空気感…
全てを学び、自分のものにしてきました。
今は会う回数は減りましたが、それでも何か迷った時には
「先生だったらこんな時、どうするだろう?」
と考えることで、多くの問題を解決することができます。
【そして、私も】
そして、私も数十名のヨガインストラクターを送り出しました。
一緒に練習し、多くの時間を共にしました。
笑ったり泣いたり、わだかまりや誤解。
それも私にとっては大切な宝物です。
【師から離れる】
今年出会った師匠から聞いた言葉、「守破離(シュハリ)」。
そう言えば、そんな事グルジの本に書いてあった!
師から学び、型を守り、それを破り、自分のものにしていく。
そして、いつかまた新たな師と出会い、学びを深めていく。
私の終わらない「気づき」の旅は、これからもまだまだ続きそうです。
【追記】
ヨガの学びを通して、私は自分自身に気づき、深く理解し、成長していくことができました。
そして、その学びを今度は多くの人に伝え、一人でも多くの人が自分自身に気づき、豊かで美しい人生に導けるようにしたいと思っています。
これからも、師から受け継いだ大切なバトンを繋ぎ、精進していきます。